Adobeが販売している映像編集ソフト、After Effects(AE)。
YouTubeをはじめ動画コンテンツが爆発的に増えているいま、AEを学んで動画制作のスキルを得たい人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、パソコンのことをよく知らないから動画編集用にどんなPCを選べばいいか分からない人も多いのが現状です。しかも、店員さんの勧めで買ったパソコンではスペックが足りなくて、ストレスが溜まってしまいやめてしまう人も…。

結論から書いてしまうと、知識がない人でも、ポイントを押さえて選べば、ちゃんと動画編集できるパソコンが手に入ります!
この記事では、動画編集に適したパソコンの選び方を優しく解説していますので、ポイントを押さえて短時間で理解することができます。ぜひ最後までお読みいただいて、動画編集用にちょうどいいパソコンを自分で選べるようになりましょう。
目次
Adobe公式が出している推奨スペック
では、実際にどのくらいの性能(スペック)のパソコンが必要なのでしょうか?
まずは、販売元であるAdobeが発表している推奨スペックを確認しておきましょう。
ここではPremiere Proの推奨スペックを表示しています。
Premiere ProはAdobeが出している長尺が得意な動画編集ソフトです。短尺が得意なAfter Effects(AE)とは棲み分けがされていますが、AEと組み合わされて使われることも多いソフトです。一応、AEの必要システム性能のページもあることにはあるのですが、ほとんどの項目が Premiere Pro と同じですし、 Promiere Pro の推奨スペック(下の表)を見ておきましょう。
Adobeの推奨スペック | |
プロセッサー(CPU) | Intel® 第 7 世代以降 CPU または同等の AMD CPU |
オペレーティングシステム(OS) | Microsoft Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 1809 以降 |
RAM(メモリ) | HD メディアの場合は 16 GB の RAM 4K メディア以上の場合は 32 GB |
GPU(グラフィックボード) | 4 GB の GPU VRAM |
ハードディスク空き容量(記憶媒体) | ・アプリのインストールおよびキャッシュ用に内蔵高速 SSD ・メディア用に追加の高速ドライブ |
画面解像度 | 1,920 x 1,080 以上 |
CPU、OS、と難しい単語が並んでいますね。しかも、推奨スペックとして書かれている内容もざっくりしていて、初心者には正直わけわからないように思います…。
なんのことか、さっぱり分からない方でも大丈夫!以下では、ひとつひとつのパーツについて易しく説明していきます!
After Effectsを動かすのにちょうどいい性能は?
上で引用した推奨スペックは実際のところ、最低限度のスペックになるため、これを鵜呑みにしてパソコンを選ぶと後々痛い目をみることになります…。
特にCPUとGPUってなに?という方も多いですので、具体的にどれを選べばよいのか下で確認してみましょう。
ここでは、ある程度ストレスなく、AEを使った動画制作ができる性能を解説しています。ぎりぎり動作するくらいのパソコンだと、制作作業でのストレスが半端ありません。推奨スペックよりも少し余裕を持たせたくらいがちょうどいいと思います。
プロセッサー(CPU) | IntelのCPUがおすすめ
Intel Corei7-9700 |
オペレーティングシステム(OS) | Microsoft Windows 10 HomeでもProでもOK |
RAM(メモリ) | 最低16GB以上
余裕があれば、32Gほしい |
GPU(グラフィックボード) | GeForceシリーズ
GeForce GTX 1660 SUPER が最もコスパが良い |
ハードディスク空き容量(記憶媒体) | SSDがおすすめ |
CPU
CPUのメーカーには Intel と AMD の2社がありますが、最近では人気が拮抗しています。
動画編集でもどちらを選んでもよいのですが(特に入門レベルの場合)、どちらか迷ったら Intel を選ぶことをおすすめしています。エンコードの出力時間がIntelのほうが早いケースがあるためです。しかし、価格的にはAMDの Ryzen シリーズのほうが安いので、入門機に予算があまりない方は Ryzen シリーズを搭載したパソコンにするとよいでしょう。
はじめての動画制作でおすすめのCPUは
Intelだと、Intel Core i5 9600KF、Core i7 9700K
AMDだと、Ryzen 5 3500、Ryzen 5 3600X くらいのものがおすすめです!
CPUの製品名の数字(上の例では 9600とか3500とか)は、基本的には大きい数字のほうが性能が良いです。発売された年によっても性能が変わったりしますが、まずは上記の事だけに注目していろいろ見てみると分かりやすいですよ!
もっと詳しく知りたい方へ
CPUの性能はクロック数(クロック周波数とも)、コア数などの要素で決まります。AEの場合は、クロック数が大きいほうが、ソフトが速く動きます。コア数も関係なくはないですが、まずはクロック数の大きさに注目して選んでみるとよいでしょう。
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GPU
GPUはディスプレイに映像を出力するためのパーツで、高解像度の動画をなめらかに出力するためには欠かせないものです。
AEでもPremiereProでも、レンダリングとエクスポート処理にGPUを使って、動作を高速化しています。
特にAEの場合は、さまざまなエフェクトやカラー調整、3D描画などの基本的でよく使われるレンダリングにGPUが使われているため、絶対必要です。
また、各種エフェクトの多くもGPUにより高速化されているため、GPUの性能をしっかり理解した上でパソコンを購入する必要があります。
基本的にGPUはNVIDIA製GeForceシリーズから選択することになります。
おすすめのGPUは、
GeForce GTX1660 SUPER (執筆現在、最もコスパがよいGPUのひとつ)
GeForce RTX2060
あたりが入門機としてちょうどいいですし、かなりヘビーに使うようになっても実用に耐えるレベル感だと思います。
メモリ
メモリは情報を一時的に蓄えておくためのパーツで、どのパソコンにも必ず取り付けられています。
GB(ギガバイト)という単位で容量を決めます。
動画制作・編集をする場合には、最低16GBにしましょう。8GBでも動かないことはないですが、少々大変な場面が出てきます…。余裕があればですが、できれば 32GB以上にすることをおすすめします!(容量は大きければ大きいほど良いです)
また、メモリは最もコストパフォーマンスがいいパーツです。
どういうことかというと、CPUやGPUなど他のパーツに比べて、性能あたりの価格が安いのです。実際にメモリを8GB増設する場合でも数千円〜1万円の追加出費で済んでしまいます!これに対し、CPUを1段階レベルあげようとすると、数万円~のコストがかかってしまいます。
数千円の上積みで、作業効率が全く変わってくるので、メモリを増やす投資も、すぐに回収できてしまいます。パーツを付け替えたりするのも難しいですし、最初の注文時にはメモリの容量は欲張って選びたいところ。
どこで選べばいいの?
動画制作用のパソコンを買う際には街の家電量販店で買ってもよいのですが、既製品を買ってしまうと自分の思い通りのスペックにならない可能性があります。
そこで、おすすめするのが、BTOショップで購入する方法です!
BTOとは、基本となる構成を選んだ上で、追加でパーツを自分好みでカスタマイズできる販売形式のこと。ゲーミングPCでは最近主流になってきた購入方法です。
BTOショップは有名所に、「ドスパラ」「マウスコンピュータ」などのショップがあり、ネットでも実店舗でも注文することができます。
結局、どんなPCがいいのか知りたいんだけど・・・
ここまでお読みいただいて、結局どんなパソコンがいいのか、やっぱり分からないという方も多いと思います。パソコンの自作歴も長い私でも、正直、動画制作用のパソコン選びは難しいのです…。
でも大丈夫です!
最後にこれを見ておけば間違いはないというレベル感で、おすすめのBTOパソコンをピックアップしています。
ある程度、低予算でも、動画制作を始める上で十分なものをピックアップしていますので、ご安心ください。
動画制作おすすめ第1位:GALLERIA XT
ゲーミングPCで最も売れているブランドのひとつである、GALLERIAシリーズから、動画制作にも使える性能のあるミドルクラスモデル。シンプルだけどカッコいいケースで、拡張性も抜群!動画制作だけじゃなく、もちろんゲームもがっつり楽しめちゃいます。
動画制作おすすめ第2位:G-Tune EM-Z
管理人も愛用しているマウスコンピュータから、ゲーミングPCブランド「G-Tune」シリーズ。ミドルクラスのEM-Zは、動画制作はもちろん、ビジネスや趣味で重たい処理にも幅広く使えるスペックです。
Corei7-9700
NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER
16GB メモリ
512GB SSD ( M.2 SATA3 接続 )
¥ 179,080 (税込)