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mouse DAIV Z5 BTOパソコン比較レビュー「コスパはそこそこだがエンジニア、クリエイターと相性が最上級!」

今回は現役エンジニアの視点から、マウスコンピューターの DAIV Z5 シリーズの良し悪しについて解説し、使用用途ごとに買いか見送りかを判断しています。

実機レビューの結果、コスパはそこそこのモデルなので全ての方にオススメというわけではありませんが、基本スペックと拡張性・エアフローなどの点からプログラミングやクリエイティブ用途と相性が良いことが分かりました。

メリットだけでなく、エンジニア的に不安な点も分析しているので、購入前の参考にしてみてくださいね。

  • DAIV Z5 シリーズでゲームはプレイできる?
  • DAIV Z5 シリーズでプログラミングはできる?
  • DAIV Z5 シリーズはビジネス用途に向いている?
  • DAIV Z5 シリーズと他の人気PCとの比較

 

DAIV Z5 シリーズの基本スペック

基本(万能モデル) T400搭載モデル
モデル名 DAIV Z5 DAIV Z5-T4
OS Windows 11 Home 64ビット Windows 11 Home 64ビット
CPU Intel Core i7-12700 Intel Core i7-12700
メモリ 32GB (16GB×2) 32GB (16GB×2)
グラフィックス GeForce RTX 3050 NVIDIA T400
SSD 512GB 512GB
HDD 1TB 2TB
電源 500W 80PLUS BRONZE認証 500W 80PLUS BRONZE認証
保証 1年間無償保証 1年間無償保証
価格 249,800円~ 229,900円~
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総合評価(使用用途別)

 

記事の後半で用途ごとの解説をしています!

 

DAIV Z5 シリーズの性能スコア比較

Intel Core i7-12700 CPUスコア

画像はコチラ(CPUスコアの一覧)

IntelのハイエンドCPU、Core i7シリーズの第12世代製品を採用しており、ハイクラスな性能を発揮します。Core i7シリーズはあらゆる用途で、それなりに高いパフォーマンスを出せるのが特徴。ゲーミング用途はもちろん、クリエイティブ、プログラミングなどでも十分な場合がほとんどです。重ための動画編集といった業務やビジネス用途など、よりハイスペックな性能が求められるときはCore i7-12700KやCore i9シリーズ搭載マシンを検討してみましょう。

 

GeForce RTX 3050 GPUスコア

画像はコチラ(GPUスコアの一覧)

GPUにはGeForce RTX 3050を採用していて、マルチモニター環境でも処理が遅くなることなく表示できます。クリエイティブ用途やエンジニア業務、ビジネス用途だと、必ずしもグラフィックス性能が求められませんが、ローエンドなGeForceグラフィックスを搭載しているので幅広い作業に対応できるのが嬉しいところ。軽めのFPSゲームやオンラインRPGなどには十分対応してます。

 

DAIV Z5 シリーズのメリット・デメリット分析

特徴

コスパはそこそこ、でもクリエイターやプログラマーには最適な構成。

大手BTOパソコンメーカーのマウスコンピューターのクリエイター向けブランドDAIVの入門モデルにあたるZ5シリーズ。業界最大手のひとつで、人気も高いマウスコンピューターが販売しているので信頼性が高いです。また、24時間/365日の電話サポートも付いているので、初心者でも安心な親切サービス体制が素晴らしいですね。

コストパフォーマンス(価格vs.性能)は必ずしも良いモデルとはいえません。同クラスの他社製品と比べると、あまり安値とはいえません。ただし10,000円以上値下げされることも多いマウスコンピューターのセール時にはかなりお得に購入できるため、第1選択肢として魅力的。

とはいえ、性能的にはコストパフォーマンスがそこそこなレベルでも、拡張性や高負荷時の排熱性能、外観のデザイン、メンテナンスの簡単さは非常にレベルが高く感じました。フルタワーサイズのケースを採用していることや、フロントの空気の巨大な取り組み口から内部を循環させるエアフロー設計は、重たい処理が多くなるクリエイティブな業務にも十分耐えられるものです。納品時点でもケース内部のスペースに余裕があり、コードの取り回しも効きます。業務の拡大などで手軽にストレージやグラフィックボードを追加できる拡張性が高いのも魅力です。キャスター付きのケースなので、大きいケースボディなのに移動がかんたんで、日々の清掃や場所の移動にも超便利。

出典: https://www.mouse-jp.co.jp/

 

入門クラスのGPUを搭載しているため、グラフィックスの性能は抑えられています。単にゲーム用のゲーミングPCとして使用するなら、もっとコスパの高い製品を選ぶのがおすすめです。ゲームプレイでは、グラフィックス性能も重要になります。なので同クラスの製品で、なおかつグラフィックス性能が高いモデルを検討してみるといいでしょう。例えば、FRONTIERのFRGXB560/A、SEVENのZEFT G07ACはグラフィックス性能が高いうえ、より安く手に入ります。ゲーム初心者や動画編集、動画投稿などをしたい人には上記モデルのほうが適切です。

それでは DAIV Z5の全体感を整理しましょう。

メリット
  • ハイクラスのCPU搭載マシンが手軽な価格で手に入る
  • 外観デザインがカッコよく、どのインテリア、オフィスデザインにも似合うケース
  • エアフロー設計や拡張性が考え抜かれていて、高負荷の作業にも対応可能
  • 移動が簡単なケースのため、清掃やメンテナンスが楽
デメリット
  • コストパフォーマンスはそこそこ
  • グラフィックス性能は入門レベル

 

ゲーム性能の分析

DAIV Z5の基本構成ではGeForce GTX 1650を搭載。スペックとしては、ミドルレンジの入門機といったところで、ゲームプレイ自体は問題なく可能です。ゲーマー入門者にはおすすめできる製品ですね。

とはいえ、コスパを考えると、同じ価格帯でさらに上位のグラフィックボードを搭載しているBTOパソコンの方がオススメ。単純にゲームだけする用途のパソコンなら、グラフィックス性能を重視した構成にするほうが適切です。例えば、FRONTIERのFRGXB560/Aなどはかなりコスパが優れていて、CPU・グラフィックス・ストレージ共にスペックが非常に高いです。

DAIV Z5はあくまでクリエイティブやエンジニアに推奨のパソコンといえるでしょう。

 

ポイント

ゲーム(美麗3D最高設定) プレイ自体は可能。フルHD環境でのプレイが前提
ゲーム(重量級FPS) 普通未満設定でのプレイは可能。高設定・高フレームレートは期待✕
ゲーム(軽量FPS・2D) 問題なくプレイOK。高フレッシュレートのモニタとの相性も◎

 

動画・画像編集における性能

DAIV Z5の基本構成ではCPUにIntel Core i7-11700を搭載。Intel CPUのなかでもハイクラスな性能をもつ高性能シリーズです。最新のIntel CPUの中でも、性能と価格のバランスに優れてたモデルなので、人気も高いCPUです。

Core i7-11700は動画編集、写真加工、RAW現像などのクリエイティブ作業でも十分活用できる性能があります。データ量が多くなると重要になるストレージは、標準で1TBのHDDが付属しているのがありがたいですね。ストレージに容量を追加したいときも、フロントパネルのリムーバブルハードディスクベイ(要カスタマイズ)により、工具不要で気軽に拡張できます

出典: https://www.mouse-jp.co.jp/

 

DAIV A5DAIV A5-1660Ti などに搭載されているRyzen 7 3700Xよりはマルチスレッド性能は若干低め。使用するアプリケーションによって変動するので、性能面では単純に比較ができません。悩んだらIntel CPU搭載マシンのZ5(本製品)を選択しておくとよいでしょう。

また、4Kでのリアルタイムエンコードなど、さらに高負荷の作業をするときにはグラフィックス性能が足りなくなる可能性が高いです。より上位のグラフィックスを搭載している、DAIV Z7などを検討してみた方が良いでしょう。

 

ポイント

あらゆるクリエイティブ作業で使用できる入門モデル!高負荷な作業が必要になるときは、よりハイエンドなモデルを選んだ方がよい。


総合的に、クリエイティブ作業の入門者~中級者におすすめのモデルです。

 

プログラミングにおける性能

DAIV Z5はプログラミングの作業でも十分な性能を発揮します。

CPUにはハイエンドなCore i7シリーズを採用しており、処理性能は高め。また、プログラミングでは高負荷時にも不安定にならないような安定性が求められますが、前述のとおりエアフローがしっかり確保されていることもあって普段の業務で使用しても問題ないです。ミドルタワーの広い内部構造があり、拡張性(カスタマイズ性)も高め。熟練度でいえば、入門者~中級者くらいに最適です。

SSD容量が標準で256GBだけなので、容量が気になるコンテナ開発や素材をたくさん使用するWeb開発などでは、追加のSSDをカスタマイズしておくのがオススメ。またプログラミング作業に特化したPC選びでは、CPU性能をより高めたDAIV X5-1660Tiのほうが適切かもしれません。予算と用途に合わせて選びたいところですね。

 

ポイント

将来の拡張性の高いモデル。入門プログラマーにはオススメ!

 

データ分析・AI開発における性能

データサイエンティスト・データアナリストの業務では、DAIV Z5の基本構成でも十分対応可能。CPUスペックはミドルレンジの高性能モデルなので、日常的にデータ処理をする業務でも活用は可能です。大規模なデータセットを扱う場合など、高負荷な作業では少し不足感があるので、より上位のCore i7-11700KやCore i9シリーズの搭載機(DAIV X5-1660Tiなど)を検討してみたほうがいいですね。

また、機械学習・DNN分野で使用するには、グラフィックス性能が貧弱なのでオススメできません。この用途では、同じDAIVシリーズだとGeForce RTXシリーズ搭載のDAIV Z7-3060TiDAIV X7がおすすめ。

 

ポイント

小規模・中規模程度のデータセットなら対応可能か。ビジネスで日常的にデータ分析用途として使用するのには適さない。

 

事務処理における性能

DAIV Z5は高性能なIntel Core i7 CPUを採用しているので、一般事務、データ処理などの用途では十分な性能があります。不要なグラフィックス機能や余分なメモリ、ストレージが付属しないため、必要十分なスペックをビジネスで活用できるでしょう。

とはいえ、コストパフォーマンスを比較すると、他モデルよりも劣っています。DAIVがもともとクリエイター向けのモデルであり、データ処理速度で比べると同スペックの製品より価格は高め。DAIV Z5シリーズは単純な事務用途での購入にはオススメできません。事務処理向けのPCを検討する場合は、同じマウスコンピューターならmouse DT7-GなどのデスクトップPCが数万円ほど安く購入でき、おすすめです。

 

ポイント

コスパの観点から、単なる事務処理向けのPCとしてはオススメできない。

 

DAIV Z5 シリーズと似ているPCの比較

メーカー マウスコンピューター マウスコンピューター FRONTIER
モデル名 DAIV Z5 (本製品) mouse DT7-G-3050 FRGKB660/B
OS Windows 11 Home 64ビット Windows 11 Home 64ビット Windows 11 Home 64ビット
CPU Intel Core i7-12700 Intel Core i7-12700F Intel Core i7-12700F
メモリ 32GB (16GB×2) 16GB 16GB
グラフィックス GeForce RTX 3050 GeForce RTX 3050 GeForce GTX 1660 Ti
SSD 512GB 512GB 512GB
HDD 1TB 無し 無し
電源 500W 80PLUS BRONZE認証 500W 80PLUS BRONZE認証 850W 80PLUS GOLD認証
保証 1年間無償保証 1年間無償保証 1年間無償保証
価格 249,800円~ 209,800円~ 184,800円~
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ポイント

DAIV Z5シリーズがクリエイティブ用途向けの入門機という位置づけのため、同スペック帯で比較するとコスパは必ずしも良くありません。データ処理など一般ビジネス向け用途では、マウスコンピューターのスタンダードなデスクトップシリーズ mouse DT7-G の方が適しているでしょう。また、ゲーミングやVRなどではFRONTIERのFRGKB560/Aの方がグラフィックス性能が高く、コスパも高いです。DAIV Z5の魅力は拡張性の高さやエアフロー設計、ケースデザインなので、その利益を享受できるクリエイターやプログラマーにおすすめです。

 

DAIV Z5 シリーズ外観レビュー

全体・モニタ配置例

 

前面(フロントパネル)

 

前側面(右)

 

前側面(左)

 

側面(サイドパネル)

 

 

総合的な判断(DAIV Z5 シリーズ購入に迷っていたら読む)

DAIV Z5シリーズはクリエイター向けブランドDAIVの入門クラスに位置するモデルで、クリエイティブ用途やエンジニア・プログラマーに推奨できる構成です。

CPUやグラフィックスのスペックだけを比較すると、コストパフォーマンスは必ずしも良いとはいえません。

しかし、ケース内部の拡張性の高さや、キャスター付きの高級ケースによるメンテナンス性の高さがあり、自分でパーツを購入してカスタマイズしたい人にも向いています。結論的には、15万円~20万円程度で映像関連の作業はせず、かつクリエイティブ用途・プログラミング用途でPCを探している人にはオススメできるモデルです。一方、予算制約が厳しい人や、将来的に重たい動画編集、3D処理、ゲームなどもしたいという人には、コスパの観点でオススメしません。合っている人には合うけど、合わない人には合わない、そんなモデルですね。

 

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