この記事は、プログラミングを始めたい初心者や、これから仕事でプログラミングで稼ぎたい人が、どんなパソコン(PC)を選べばいいのかを解説するものです。
ネットで検索してみると、結構さまざまなサイトで解説しているようですね。
でも、内容がサイトによってさまざまで、迷っちゃうと思います。
しかも、プログラミングを教える人が必ずしもパソコンに詳しいわけではない、というのが微妙なところです。
そこで、インフラエンジニアとして活動してきて、今ではプログラムもガンガン開発している私「はーまた」が、プログラミングに適したパソコンをお伝えしていきます。
パソコン選びの段階から失敗しないせず、スムーズにプログラミングの学習ができるようにしましょう!
プログラミングの上達にはパソコン選びが超重要!
プログラミングを上達させるためには、なぜパソコン選びが最も重要なのか知っておきましょう。
作業効率、学習効率が違う!
まず一番重要なのは、スペック(性能)が低すぎると、一つ一つの動作に時間がかかってしまい、作業効率がかなり落ちてしまうことです。
プログラミングでは、プログラムの考え方や設計に多くの時間をかけるべきです。
ソフトを開いたり、文字の変換やページの移動といった、プログラミングに関係のない時間をつかうのはもったいないですよね。
パソコンのスペックが低いと、以下のような問題が起きます。
- エディタ(プログラミングするときに使うソフト)の立ち上げが長い
- 補完(コードの足りない部分を補ってくれる便利な機能)ができない
- 作ったプログラムの実行までに時間がかかる
- 調べ物をするときのページ移動が遅い
- etc…
そして、作業の効率が落ちるということは、プログラミングの学習速度も落ちることになります……
メンタルでブレーキがかかる!
読者の方も、これまでに遅いパソコンに悩まされたことがあるのではないでしょうか?
スペックが低いパソコンは使っている人をイライラさせます。
プログラミングをするときは、ちょっとした集中力が求められます。
そのため、動作が遅いパソコンのストレスにより、集中が途切れてしまったりするわけです。
そして、イライラが溜まると、プログラミングの学習自体がイヤに…。それはもう悲劇的です。
ですから、それなりに快適にプログラミングできる環境こそが大事なのです。
将来のできることが変わる!
自転車と自動車で出せるスピードがまったく違ったり、ゴルフクラブの種類によってボールの飛び方がまったく違うように、パソコンのスペックでもできることがまったく違ってきます。
例えば、文書作成やブログの編集・SNSなどは、比較的低いスペックのパソコンでも十分です。
それに対して、3Dのゲームをしたり、アプリの開発、画像編集などは高めの性能が必要になります。
高画質の動画編集やYouTubeのライブ配信をしたいときなどは、さらに高性能なスペックになるでしょう。
このように、プログラミング以外にもたくさん使いみちがあるパソコン。
今やりたいことだけに注目するのではなく、将来できることの可能性を広げておくのもよいでしょう。
プログラミングに最適なスペック(性能)は?
スペックの見方
「OS」はパソコンを動かすソフトの基本部分
OSはパソコンの動作における基本部分で、すべてのソフトの親分みたいな存在です。
OSによってプログラミングの種類に得意・不得意があります。詳しくは下で改めて解説します。
「CPU」はパソコンの頭脳
CPUはパソコンの頭脳となる部分で、すべての性能のベースとなるもの。最重要のパーツです。
「メモリ」の情報を一時的に記憶する部分
パソコンの情報を一時的に記憶する部分で、一度にできる作業量に影響します。CPUの次に、結構重要です。
「記憶領域」は情報を保存しておくための装置
「SSD」や「ハードディスク」と表記されているものは記憶領域の種類です。ストレージとも呼ばれます。データ(ファイル)を半永久的に保存しておくための装置です。保存できるデータの量や読み込みの速度に違いがでてきます。
「グラフィックス」は映像を綺麗に高速に表示
GPUという部品を搭載して、映像をキレイに高速に表示するための部分。動画編集やゲームの性能に影響します。パソコンの使いみちによっては、気にしたほうがいい部分です。
その他のスペック
他にも「電源」の種類や光学ドライブの有無など、実際にはさまざまなパーツの種類があります。最初から全部を気にするは無理があるので、まずは上で挙げた部分だけでも見ておくとよいでしょう。
最低限必要なスペック
スペック | |
CPU | Core i3 または Ryzen 3 |
メモリ | 8GB以上 |
グラフィック | 特に考えなくてOK |
記憶領域 | 100GB 以上の容量のあるハードディスク(HDD) |
小規模なWebサイト制作(HTML、CSS)や、PythonやJava Scriptなどで作る小さめのプログラムなどは、このくらいのスペックで十分です。
とりあえず、低予算でパソコンを手に入れて、プログラミングの学習を始めたいという人におすすめのスペックとなります。
特に、プログラミングは「調べ物」の勝負。ブラウザでネット検索しながらコードを入力するので、一度に作業できる量を制限してしまうメモリ容量は最低8GB以上が必要でしょう。
ただしあくまで最低限のラインなので、もっとやりたいことを広げたいなら、すぐに不満感が出てくると思います。
快適動作スペック
スペック | |
CPU | Core i5 (できればCore i7)または Ryzen 7 |
メモリ | 16GB以上 |
グラフィック | GeForce GTX 1650 以降のモデル |
記憶領域 | SSD(256GB以上) |
C++、C#、Java、Python、Swift、JavaScriptなどなどの主要な開発言語で、それなりに快適にプログラミングするのに必要なスペックです。
もちろん、成果物のスケール(大きさ)やプログラムで実現したいことによって、必要な性能は違います。ですが、上の表はかなり多くの場合に適用できるでしょう。将来レベルアップして、手元に仮想環境を作るときなどにも十分対応できます(難しい話なので今は気にしないでOKです)。
特に記憶領域はSSDを選んだほうがよいでしょう。
記憶領域をハードディスクにする場合、読み込みに時間がかかるので、全体的に作業効率が落ちてしまいます。
また、これくらいのスペックがあれば、画像編集・動画編集やイラスト制作、軽いデータ分析など、Web開発の周辺作業もサクサクできるでしょう。
各パーツについて、「もっと詳しく知りたい!」という方がいましたら、各解説記事を用意しましたので気になる方はチェックしてみてください。
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Windows?Mac? OSの選び方
次にOSの選び方です。
OSには主に、WindowsとMacの2種類があります。
Windows | 定番のOS。マイクロソフトが開発していて、ほとんどのデスクトップにはこれが入っている |
---|---|
Mac | アップル製のパソコンには必ずこれが入っている。デザインが綺麗。 |
OS選びの結論
結論からいってしまうと、これからプログラミングをはじめたいときは、どっちを選んでも大丈夫です。
Windowsの特徴は対応するハード(周辺機器のこと)が多いこと。
また、3Dゲーム、オンラインゲーム、発売されたばかりの新作ソフトなどは、Windowsでしか動作しないことがあります。
一方のMacは、Appleが開発しているので、iPhoneアプリの開発と相性がよかったりします。
また、Webのプログラミングでは、Macの方に最適化されたシステムなどもあり有利です。
そのため、ここ何年かは、「プログラマーはMacにした方がよい」と言われてきましたが、最近はWindowsの改良が進んでいて、開発する環境が整ってきています。
ゲームをするなどじゃなければ、どちらのOSを選んでも、後悔することは少ないでしょう。
セキュリティ面は大丈夫?
よく「Windowsには感染するウイルスがたくさんあるから対策が必要だ」といわれます。
ですが、最近ではWindowsのOSには必要十分なセキュリティ対策が施されています。
セキュリティ面で、特にWindowsが不安、という主張は正しいとは言えません。
アンチウイルスソフトは「それでも心配な人はインストールしましょう」といった程度のもの。
また、セキュリティのリスクがあるのはMacも同じです。
パソコンを買った後はセキュリティについて学び、きちんとした知識を得ることはとても大事ですし、OSによってそれが変わることはありません。
ちなみに
ちなみに、OSには他にもLinuxと呼ばれるものがありますが、プログラミングの学習を進めていくうちに出会うことになるでしょう。Linuxはプログラミングの現場では絶対に不可欠なもので、Macの基礎にもなっていたりします。
もちろん、今の段階ではそんなに気にしなくて大丈夫です。
プログラミング初心者のパソコン選び
実は、初心者と上級者で変わらない
実際のパソコン選びでは、プログラミングの初心者と上級者でそう変わるわけではありません。
初心者だからといって「低スペックでいいよね」とはなりません。
というのは、上記で解説したようにプログラミングの勉強を円滑にするためという理由があります。
それに加えて、将来的には初心者も上級者となって、性能を使いこなせるようになるから、というのもあります。
本気で取り組みたい人は、最初からちゃんとしたスペックのものを手に入れるべきです。
でも、初心者が使うパソコンのコスパは?
かといって、むやみに高額なパソコンを買うのはNGです。
それは、たとえ上級者でも、高スペックすぎるパソコンは使いこなせないのと一緒です。
あくまで、上記で解説した、プログラミングに必要なスペック(+アルファ)が目安になります。
副業でプログラミングするなら
やりたいことの一段上のスペックを
副業としてプログラミングで稼ぎたい人も多いのではないでしょうか?
どんなジャンルのプログラミングで稼ぎたいか、漠然とした考えはあるかもしれません。
アプリ開発、Web制作(デザイン)、Excelマクロ、自動化ツール、証券取引…などなど。
プログラミングで稼ぐ場合は、どんどん自分のできる範囲を広げていくことが将来の収入増加につながります。
それを考えると、取り組みたいジャンルで必要そうなスペックを書き出して、それのさらに一段上の(余裕のある)スペックのパソコンを選ぶとよいでしょう。
パソコンが節税につながることも
副業としてプログラミングで稼ぐ場合は、自分で確定申告して納税することが多いと思います。
そんな方は、プログラミングに使ったパソコンの購入金額を経費として処理することができる場合があります。
副業をする上では、こうした節税方法は上手に活用したいですね。
副業で使ったパソコンを経費とする考え方や確定申告については、こちらの記事で解説しています。
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子供がプログラミングするなら
子供と使うパソコンの選び方
子供がプログラミングするのにパソコンが必要となることもあるでしょう。
子供が使うパソコンでも、学校の勉強の調べ物などでも使いますから、意外と使う機会が多くなります。
そのため、以下のような点に注意して選ぶことをおすすめします。
- 持ち運びがしやすい
- 汚れなどがつく前提(汚れが掃除しやすい)
- 壊れにくい(耐久性があるもの)
また、子供でも高度なプログラミングができる時代になりました。
その点では、安易に最安値のパソコンを買うのが正解ではなくなってきています。
小学生でもできるプログラミングとは
エクセルのマクロプログラミングなどは簡単ですが、内容はビジネス感が強いですよね。
小学生でも楽しめるプログラミングといったら、Scratchなどの有名サービスの他にも、現実のロボットやおもちゃを組み合わせて、自由度の高い遊びができるものもありますよね。
こうした、子供のコンピュータリテラシ(基礎知識)を伸ばす教材は、そんなに高いスペックのパソコンは必要ではありません。
年齢やスキル、興味関心に合わせて、パソコンも選びたいですね。
子どものプログラミング学習時のパソコン選びについては、別で詳しい記事を書いていますので参考にしてください。
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子どもがプログラミング学習で使うパソコンの選び方
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プログラミングに適したパソコンの例
ここまで解説した内容をもとに、エンジニアである私がおすすめするパソコンの構成を紹介します。
「これさえあれば間違いない!」という内容ですが、読者によって最適なパソコンは違うはずです。
あくまで参考にとどめて、紹介するメーカーのサイトを眺めてみたり、カスタマイズしてみたりしてくださいね。
デスクトップの最小構成の入門機として
G-Tune PM-A
管理人も大好きなマウスコンピュータのゲーミングPCブランド G-Tune。ゲームが快適にプレイできるだけなく、もちろんプログラマーの入門機としても最適。G-Tuneシリーズの特徴は、性能と良心的な価格はもちろん、PCケースのデザインがカッコいいところ。プログラマーたちが大好きなモノトーンのデザインである。メモリは8GBだが、カスタマイズで16GBにしても+数千円の差額。このカスタマイズだけで数年間は使えるマシンに変わる。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen 5 3500 (3.6GHz-4.1GHz/6コア/6スレッド) |
メモリ | 8GB DDR4 |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPER |
ストレージ | 256GB NVMe SSD + 1TB HDD |
電源 | 500W 電源 (80PLUS BRONZE) |
光学 | - |
保証 | 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート |
その他 | 『Xbox Game Pass for PC 30日間トライアル』+『Minecraft スターター コレクション』付属 |
79,800円~(税込87,780円~)
コスパ最強!定番の売れ筋構成
G-Tune PM-B
さらにワンランク上の構成で、さまざまな作業に対応できるモデル。CPUは定番のIntel Core i7-10700を搭載。GPUもGeForce GTX 1660 SUPER搭載で動画編集も可能。日常的なネットサーフィンはもちろん、少し重たいプログラミングなどもこれ一台でだいたいのことができる。将来いろいろなことにトライしてみたいプログラマーにおすすめできる構成だ。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Intel Core i5-11400F |
メモリ | 16GB メモリ( PC4-21300 / DDR4-2666 ) |
グラフィックス | GeForce GTX 1660 |
ストレージ | 256GB NVMe SSD+1TB HDD |
電源 | 500W 電源 ( 80PLUS(R) BRONZE ) |
光学ドライブ | 非搭載(オプションで追加可能) |
保証 | 1年間無償保証・24時間×365日電話サポート |
120,780円~(税込)
ノートならこんな感じ
Legion 550Pi
CPUには第10世代の最新Core i5を搭載。もともとゲーミング向けのノートなので、高性能なグラフィックスも搭載されている。モニタも高リフレッシュレート(144Hz)のゲーミング仕様。冷却性能が高いので、長時間のプログラミングにも耐える仕様。Legionシリーズのクールなデザインが素晴らしい。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-10750H |
メモリ | 8GB DDR4 |
映像 | NVIDIA GeForce GTX 1650 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
モニタ | 15.6インチIPS液晶、フルHD (1,920×1,080)、ノングレア、60Hz |
バッテリー | 4セル リチウムイオンポリマーバッテリー (約 10.8時間) |
本体重量 | 約 2.3kg |
本体サイズ | 約 363.1x259.6x23.6mm |
114,180円~(税込)