ゲーミングPCを買ったけど、「スマホのようにWi-Fiに繋げられると思っていた」という人は少なくありません。ですが困ったことに、そのままだと無線につなげられないゲーミングPCもあります。
しかも間違った知識で無線LANを使えば、ゲームでなかなか勝てない原因にも・・・。無線で繋げたいときには、ゲーミングPCに適した高速なWi-Fi子機を選ばないといけないんですよね。
この記事では、ゲーミングPCを無線でネット接続する方法を現役ITエンジニアがじっくり解説しています。初心者でも簡単にできるやり方を説明しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ゲーミングPCは無線でネット接続できる?
無線(無線LAN)はケーブル無しでインターネットに接続できる技術です。
大丈夫です!結論から言えば、デスクトップのゲーミングPCでも無線でネットに繋げます!
ですがデスクトップ型のPCは、最初から無線LAN機能が付いているものと、付いていないものに分かれます。
無線LAN機能が付いているPCなら、自宅にネット回線があればすぐに無線接続が可能です。ですが、買ったときに無線LAN機能がないPCの場合は、無線LANアダプタ(Wi-Fi子機)を別途入手しないといけません。
補足:基本的にゲーミングPCは有線がおすすめ!
どのように無線でネット接続ができるのか解説する前に、有線LANと無線LANのメリット・デメリットについて確認しておきます。ゲーミング環境で無線接続してもいいのか気になる人向けなので、飛ばしてもOKです!
ゲーミングPCをネット接続するときに、有線と無線のどちらかで迷ったときは、基本的には有線がおすすめです。
なぜかというと・・・
- 有線の方が安定性が高いから
- 無線の混雑が関係ないから
- 故障に耐久性があるから
無線LAN接続では、周辺の電磁波や混線の影響を受け、一時的に不安定になるときがどうしてもあります。ゲームが白熱しているときに、回線が不安定になって負けてしまうのは困りますよね。その点、有線LANはそうした不安定さが比較的少ないです。
また、集合住宅や繁華街近くなど、人の往来が激しいところでは無線LANの混線がしばしば起こります。これがネット通信速度の不安定さをまねくことにも・・・。有線でつないでいれば、近所の回線の影響は受けにくいです。
以上の理由から、ゲーミングPCと相性が良いのは有線というのが分かります。
速度面では、無線LANでも有線に劣らないくらい高速な回線速度が出ます。ケーブルの取り回しや工事が必要ないのも無線LANの魅力です。このような感じで、無線LANにもメリットはたくさんあるので、絶対に有線にこだわる理由はありません。ですが、今後も長くゲーミング生活をするなら、可能であれば有線接続も検討してみてくださいね。
ゲーミングPCを無線LANでつなぐ方法
まずは無線接続でインターネットを使うために必要なモノを確認しましょう。
無線LANを使用するのに必要なモノまとめ
- インターネット回線
- 無線LANに対応したルーター
- 無線LANアダプタや無線LAN機能
一つ一つ解説していきますね。
インターネット回線
大前提として、自宅にインターネット回線が来ていることが必要です。
ネット回線の種類はさまざまで、基本はどれを選んでもOK。回線の主な種類はこんな感じです。
- 光回線
- ケーブルテレビ(共用光ファイバー)
- ポータブルWi-Fi
- テザリング(スマホ回線)
- ADSL(僻地など)
ゲーミングPCと相性が良いのは、安定性と速度で優れている「光回線」です。回線業者選びを間違えなければ、価格も十分に抑えられます。
おすすめの光回線は安定性に優れているSo-net光やNURO 光ですが、予算や状況に合わせて自分にあったプロバイダーでOK。光回線については詳しくはこちらの記事で解説しています。
ゲーミングPC買ったら高速ネット光回線So-netがおすすめという話
無線LANに対応したルーター
次に必要なのが、無線LAN機能をもつルーターです。
出典: BAFFALO
ルーターはPCなどをネットに繋げるための仲介役のようなイメージです。壁から出ている回線の終端端末(OSU、モデム)にルーターをつなぐことで、複数のパソコンやスマホを同時にネットに繋げられます。ゲーミングPCから無線で接続する相手がルーターというわけですね。
現在発売されているほぼ全てのルーターに無線LAN機能が付いているので、ルーターを利用することで手軽に無線が使えるようになります。
選び方ですが、以下のポイントを気にしておきましょう。
- 契約しているネット回線に対応している
- 国内で販売している大手のメーカー(BUFFALO、TP-Linkなど)
- 伝送距離(間取り、階数)
一番のポイントは、使用する「距離」です。例えばワンルームだけなら最小のモデルでも十分ですが、2LDK以上のマンションや2階以上ある家屋で使用するには電波のカバー範囲が足りなくなり、速度が急減します。そんなときは、大きめの上位モデルや外部アンテナが付いているタイプを選ぶとよいでしょう。
価格はお手頃なものでも十分に通信速度が出ます。メーカーは、国内だとBUFFALOが最大手メーカーのひとつで、安心感とサポート体制もバツグンに良いです。
あくまで例ですが、ここでは価格帯ごとのおすすめルーター(記事時点)を紹介します。
バッファロー WSR-1166DHPL2/N
モデル名 | WSR-1166DHPL2/N |
---|---|
無線通信規格 | 11ac/n/a/g/b |
最高通信速度 | 866 + 300 Mbps |
使用距離目安 | ~2階 / ~3LDK |
有線 | 1G ポート(最大1000Mbps)×3 |
大きさ | 55×159×130mm(幅×高さ×奥行) |
4,580円~(税込)
バッファロー WSR-3200AX4S/NBK
モデル名 | WSR-3200AX4S/NBK |
---|---|
無線通信規格 | 11ax/ac/n/a/g/b |
最高通信速度 | 2401 + 800 Mbps |
使用距離目安 | ~3階 / ~4LDK |
有線 | 1G ポート(最大1000Mbps)×3 |
大きさ | 380 x 160 x160 mm(幅×高さ×奥行) |
CPU | - |
11,780円~(税込)
バッファロー WXR-6000AX12S/N
モデル名 | WXR-6000AX12S/N |
---|---|
無線通信規格 | 11ax/ac/n/a/g/b |
最高通信速度 | 4803 + 1147 Mbps |
使用距離目安 | ~3階 / ~4LDK |
有線 | 10Gbps×1、1Gbps×3 |
大きさ | 300×195×75 mm (幅×高さ×奥行) |
CPU | 2.2GHz, クアッドコアCPU |
33,320円~(税込)
無線LANアダプタや無線LAN機能
ルーターに無線LANで接続するには、PC側にも無線機能が必要です。
最近のノートPCやタブレット、スマホなら、ほぼ必ず無線機能が搭載されているので、設定するだけで無線でネットにつなぐことが可能です。しかし、BTOを含むデスクトップパソコンの場合は無線LAN機能が搭載されていないことも多いです。
無線機能がない場合は、無線LANアダプタなどの子機が必要です。子機といっても、安いもので数千円から買えるのでご安心を。ゲーミングPCを買うときも、無線機能が付いてなくても後から付けられるので、気楽に考えても大丈夫です。
無線LAN機能を追加できる子機には次のようなものがあります。
- USB接続の無線LANアダプタ
- 無線LANカード(上級者向け)
- ネットワークカード(上級者向け)
2つ目と3つ目はPCを自作したり改造できるような中級~上級者向けです。ほとんどの方はUSBの無線LAN(Wi-Fi)アダプタを選ぶことになるでしょう。USBタイプでも、現在のUSB3.0規格の製品なら、非常に高速に(かつ安価に)ネット接続できます。
出典: BAFFALO
ゲーミングPCで使えるオススメの無線LANアダプタ
それでは、実際にどんな無線LANアダプタ(子機)を使うとよいのでしょうか?
無線LANアダプタを選ぶときに優先すべきは次のポイントです!
- Wi-Fi通信規格(最大通信速度)
- USBの規格
Wi-Fi通信規格はさまざまなもの(下記)があり、それぞれ速度が違います。通信規格はルーター側と合わせる必要がありますが、ルーター側で対応している最高レベルの規格に合わせておくと、速度も最も速くすることができます。
無線LAN規格 | 通信速度(最大) |
---|---|
(Wi-Fi 6)11ax | 9.6Gbps |
(Wi-Fi 5)11ac | 6.9Gbps |
(Wi-Fi 4)11n | 300Mbps |
11a | 54Mbps |
11g | 54Mbps |
11b | 11Mbps |
次にUSBの規格は、主にUSB2.0とUSB3.0があります。
速度に大きな違いが出てしまうので、必ずUSB3.0の無線LANアダプタを使用しましょう。
ここでは、実際にオススメできる(高速で安定しやすい)無線LANアダプタ(子機)をまとめておきました。この中から選んでも良いですし、似たスペックの製品ならこれ以外でもOKです。
エレコム WDC-867DU3S
モデル名 | WDC-867DU3S2 |
---|---|
無線通信規格 | 11ac/n/a/g/b |
最高通信速度 | 867 + 300 Mbps |
ポート | USB3.0 |
4,073円~(税込)
TP-Link Archer T3U Plus/A
モデル名 | TP-Link Archer T3U Plus/A |
---|---|
無線通信規格 | 11ac/n/a/g/b |
最高通信速度 | 867 + 300 Mbps |
ポート | USB3.0 |
2,590円~(税込)
バッファロー WI-U3-1200AX2/N
モデル名 | WI-U3-1200AX2/N |
---|---|
無線通信規格 | 11ax/ac/n/a/g/b |
最高通信速度 | 1201 + 300 Mbps |
ポート | USB3.0 |
4,700円~(税込)
まとめ:ゲーミングPCを無線でネットに繋げるには
この記事では、ゲーミングPCを無線でネットにつなげる方法、そして安定してゲームプレイをするために不可欠な無線LAN(Wi-Fi)の基礎知識を確認しました。
無線LAN機能が付いていないデスクトップ型のゲーミングPCでも、無線LANの子機を取り付ければ高速な無線ネット接続が可能なことも見てきました。ただし、見落としがちなのは、ルーターと子機のWi-Fiの規格。高速な通信ができる規格なのか必ずチェックしましょう。
今後のゲームライフで、快適な環境を作るご参考になれば嬉しいです。
【参考】最初から無線Wi-Fi機能が付いてるゲーミングPC(ITエンジニア厳選モデル!)
買った時に無線Wi-Fiの子機が付いていないゲーミングPCが多いのは、上で解説したとおりです。そのため、こんな声もよく聞かれます。
コスパが高くて価格が安いパソコンだと、コストカットのために無線機能が削られていることが多いのが現実。ですが、探してみれば、最初から無線機能がついていて価格もお手頃なゲーミングデスクトップも見つけられます。そこで、最初からWi-Fi機能が付いているゲーミングデスクトップPCのうち、ITエンジニアが厳選するオススメモデルをまとめておきました。新しいPC選びの際には参考にしてみてくださいね。
低価格モデル G-Tune PG-I5G60 (i5-13400F)
モデル名 | G-Tune PG-I5G60 |
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OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i5-13400F |
メモリ | 16GB |
グラフィックス | GeForce RTX 4060 |
ストレージ | 512GB SSD(NVMe) |
電源 | 500W ( 80PLUS(R) BRONZE ) |
ネットワーク | Wi-Fi 6E( 最大2.4Gbps )対応 IEEE 802.11 ax/ac/a/b/g/n準拠 + Bluetooth 5内蔵 |
本体重量 | 約7.2kg |
保証 | 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート |
199,800円~(税込)
ポイント
定番スペックモデル LEVEL-M76M-137F-SLX
モデル名 | LEVEL-M76M-137F-SLX |
---|---|
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Intel Core i7-13700F |
メモリ | 16GB (8GB x2) DDR4-3200 |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti |
ストレージ | 500GB SSD(NVMe) |
電源 | 700W ( 80PLUS(R) BRONZE ) |
その他 | 有線LAN 1000BASE-T(OPで無線追加可) |
大きさ | 約幅206mm×奥行432mm×高さ411mm |
保障 | 1年間の無料保証(OPで延長可能) |
192,800円~(税込)
ポイント
パソコン工房のカスタマイズで無線機能を付ける方法
カスタマイズ画面の「本体構成」画面を開く。
内蔵ネットワークカードのところで「無線LANカード」を選択。下の画面のような「PCI-Exp」と書かれているオプションは内蔵の無線機能です。