2020/07/10 大幅に加筆しました。
一般に高性能なイメージのある「ゲーミングPC」。
ゲーム用のパソコンなのでプロゲーマーはもちろん、ゲームを愛するあらゆるゲーマーに広く使われるようになりました。
ゲームをしない人でも事業主や経営者は考えますよね(私もそうでした)。
ある特定の業種・業務では、ゲーミングPCを活用することで生産性向上・コスト削減につながります。経営者や管理職、クリエイター、エンジニア、個人投資家の方にとって読んでおいて損がない記事になっています!
ゲーミングPCと一般的なパソコンの違い
ゲーミングPCはその名の通りゲームをプレイすることに特化したパソコンですが、通常のパソコンとは違う特別な機器というわけではありません。
では何が違うのかというと、「全体的な性能が高い」、そして「個別のパーツの性能が高い」というのがポイントになります。
全体的に性能が高い!
どのような処理をするにしても、ゲーミングPCは通常のパソコンよりも全体的に性能が上回ります。
これはゲーム以外でも、表計算、画像・動画編集、SNSへの書き込みですら速度が高速になります。
PC全体の性能を計測することができ、広く使われているベンチマークソフト「PCMark10」でのスコアを比較してみましょう。
よく使われているビジネス向けパソコンとしてデスクトップのDELL製「Inspiron 3471」、ノートブックのLenovo製「ThinkPad X1」のスコアを計測しました。
またゲーミングPCとしては、Dosparaの最新モデル(記事執筆現在)「GALLERIA RM5C-G60S」(ゲーミングPCの中ではミドルクラス)のスコアを引用しています。
グラフをみるとスコアの歴然とした差がでています。
ゲーミングPCの「GALLERIA」のスコアが突出していますね…!
PCMark10のスコアはビデオ通話や表計算、ネット閲覧などの動作の総合スコアになっています。
全体的にみてもゲーミングPCの方が性能が高めであることが分かりますね。
図. PCMark10 のスコア比較
参考:GALLERIAスコアはGameWatch記事より
このように全体的に性能が高めなのが「ゲーミングPC」ですが、力のみなもとは個別のパーツの性能です。
ひとつひとつのパーツをみても普通のパソコンより性能が高いものが使われています。だからどんな処理も高速になるんです。
特に性能の差が現れるのは以下のパーツ。
- GPU
- CPU
- メモリ
GPUは映像の描画に欠かせないパーツ
パソコン用のゲームはどんどんグラフィックが美しく、高精細になってきているため、快適にプレイするためにはある程度のスペック(性能)が必要になるのです。特にプレイの快適性に大きく影響するのが、グラフィックボード(グラボ)。
グラフィックボードは主にグラフィックス関係の処理を行うパーツで、GPUと呼ばれる装置を搭載しています。
高性能なグラフィックボードはグラフィック処理性能が優れているため、高画質のゲームも快適にプレイすることができます。
一般的なパソコンはグラフィックボードが付いていないことが多いです。
それでもYouTubeなどの動画やBlu-rayなどで映画を見るのに不便はありませんが、高画質のゲームはまずプレイすることはできません。通常のパソコンではCPUに内蔵されたGPUが処理して映像を出力するのですが、これはグラフィック性能があまり高くないため不十分なのです…。
そのためゲームが大好きなゲーマー達は高性能なグラボが付けられているゲーミングPCを購入するというわけです!
CPU性能が高いこともポイント
また、ゲーミングPCは「CPU」も通常のパソコンより高性能のものが付けられています。
CPUはパソコンの中でも中心的な頭脳の役割を持ちます。
ゲーミングPCで高性能なCPUが使われているのは、ゲームで精細で凝った演出を描画するために、裏で高度に並列化された高速演算をCPUで行う必要があるためです。
一方、一般的なパソコンは動画視聴やメールのやり取りなど、オーソドックスな使い方した想定していないため、最低限の性能のCPUしか搭載していないことがほとんど。
一般的な仕事では「高速」「並列計算」がそれほど求められないからですね。
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メモリ量は作業効率に直結する
「メモリ」は一時的に作業内容を記憶しておくためのパーツ。
メモリについてもゲーミングPCはより多くの容量を搭載しています。
高画質で重たいゲームになればなるほど、多くのメモリを消費してしまうためです。
メモリが不足してしまうと、起動している全てのソフトの動作が重くなりがちになってしまいます…。
メモリも一般的なビジネスPCでは必要最低限の容量を搭載しているだけのことがほとんどです。
業務によっては多く載せすぎても活用しきれないことがあるからね。
ゲーミングPCはビジネスで使える?
ゲーミングPCは通常のパソコンよりも高スペックというだけで、機能的には同じものですから当然ビジネスでも使うことができます。
メールのやり取りや書類の作成など、通常のパソコンで出来ることはゲーミングPCでも可能です。
しかし、ゲーミングPCは高性能のパーツが付けられているため高価格なものが多いです。
そのため仕事で使う上ではコストパフォーマンスを十分に考える必要があります。
ゲーミングPCを会社に導入する利点・欠点
Excelなどの作業は高速化される!一般的なビジネスソフトを使う場合
ゲーミングPCが高性能であることは多くの方がお分かりかと思いますが、では一般的なビジネスソフトでその高性能を活かせるのでしょうか?
ゲーミングPCは一般的なPCと比べても、CPUやメモリの基本的なスペックは格段に高性能です。したがって、CPUの演算性能とメモリ容量が重要なExcelなどのOfficeソフトをはじめ、ほかのビジネス用ソフトにおいても、ゲーミングPCの性能を活かせるのは間違いありません。特にExcelは表計算に一定のCPUパワーを要し、CPUの性能によっては、セルの計算結果が表示されるまでに数倍の時間が変わってきます!
このように、ゲーミングPCはExcelをはじめとして、文書作成・プレゼン作成、データ更新やメンテナンスで使う端末など、多くのビジネスアプリの生産性を向上させることができます。単純な文書作成だけだとその効果は実感できませんが、多くのデータを同時に処理するビジネスなどではゲーミングPCの優位性が際立ってくるでしょう。
仕事によってはコストパフォーマンスが悪いこともある
ゲーミングPCは高スペックなパソコンであるため、仕事をする上で不便を感じることがまずありません。
とはいえ、ビジネスではコストパフォーマンスが重要です。
パソコンは高スペックになればなるほど基本的に価格が高くなります。
仕事でパソコンを使うのがメールを送ったりプレゼン資料の作成や印刷だけという方は、ゲーミングPCはかなりオーバースペックになってしまいまうためおすすめしません。
もちろんスペックが高いパソコンの方ができる事は多くなりますが、業務の実態に合わない投資となってしまえば回収することができなくなってしまいます。
仕事で使うパソコンを購入するなら、用途の吟味とコストパフォーマンスを意識してスペックを見極める知識が必要です。
ゲーミングPCが向いている仕事
それでは、ゲーミングPCを最大限活用して「利益を出せる」仕事とはなんでしょうか?
私のこれまでの経験も総合して、ゲーミングPCを活用できると考える仕事は下記の通りです。
- グラフィック処理(動画,3D,画像)
- プログラミング
- 投資・運用業務
- (もちろん!)ゲーム!
最も向いている仕事の一つ!「グラフィック系」
グラフィック関係の仕事をする場合は、通常のパソコンよりもゲーミングPCが向いています。
動画編集・出力
ゲーミングPCは動画編集をする時にも役立ちます。
通常、動画編集における多くの処理はCPUが使われています。なので、CPUの性能が作業効率に一番影響します。
ゲーミングPCはゲームをなめらかに動かすために高性能なCPUを使用している傾向があります。そうした理由で、多くの一般向けパソコンよりも動画編集の処理を高速化できるはずです。
また、一部の動画編集ソフトではグラボのGPU性能の一部を使って、書き出しやプレビュー出力をしています。そのため、グラボが付いていないようなパソコンで動画編集をすると処理能力が追いつかなくなり、編集中にフリーズするなど作業に支障をきたしてしまうことも。
一方、ゲーミングPCは高性能のグラボ(GPU)を搭載しているため、フリーズしにくく、快適に編集作業を進められるのがポイントとなります。
写真加工・出力
仕事で写真の加工を頻繁に行う人にもゲーミングPCをおすすめできます。
カメラの性能がどんどん上がり、高画質の写真を手軽に撮影できるようになりました。しかし、高画質の写真を編集するためにはそれなりの描画処理能力が必要になります。
普通のスマホの写真などであれば低性能のCPUだけで編集することもできます。ですが、高解像度のRAW編集となると、低性能のCPUでは処理が追いつかず動作が重たくなってしまうことも多いです。
ゲーミングPCでは多数の並列化された高速のCPUを搭載しているため、動作が遅くなりにくい性能があります。
また、高性能のGPUが搭載されているため、一部の処理をCPUに代わって行い、写真の加工も短時間で行うことができます。
作業スピードが上がればそれだけ仕事効率もアップしますよね。
こうしたクリエイターのお仕事では、ゲーミングPCを使う価値が高いといえます。
高性能なGPUを搭載しているマシンとして販売されているパソコンの中には、ゲーミングPCではなくクリエイターPCとして販売しているものもあります。
基本的に、ゲーミングPCのように、高性能なグラフィックス性能をもっていて、全体的にスペックが高いことは変わりません!
ですが、搭載されているGPUの種類が微妙に違かったり、向いている作業に違いが出ることがあります。
こちらについては別の記事で解説しているので、気になる方はそちらをチェックしてみてください。
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データ分析なども含めた「開発全般」
プログラマやコーダーが行う開発業務全般にもゲーミングPCのパワーを活用できると思っています。
ソフトウェア開発、Web開発では高い計算リソースが必要になる場面がありますよね。
特にゲーム開発やシミュレーション系のアプリケーションでは、CPU・GPUの高い演算能力を要求される場面が必ず出てきます。
ゲーミングPCはプログラミング用に作られているものではありませんが、最初から演算能力の高いパーツを使用しています。それに加え大きめのメモリを搭載しているので、大規模なプログラムを並列で実行するプロジェクトにも対応しやすいのです。
ここ数年ではディープラーニングなど、高性能GPUをフル活用できる機械学習手法も登場してきましたね。(とはいえクラウドで実行することが定番になってきつつあるけど…)
管理人「はーまた」もWebの設計・開発業務でBTOのゲーミングPCを日常的に使っています。
会社で支給されるノーマルパソコンとの性能差…(天を仰ぐ)
ニッチだけど絶対有利になる投資・運用業務
証券業界でトレーディングをされている方、個人投資家でデイトレード・スイングトレードをされている方ならイメージしやすいと思います。
使っている端末の速さはトレードの成果に直結します!!
最近のトレーディングツール・情報端末は安定性が向上してきているとはいえ、低いスペックのマシンで動かすにはまだまだ難がありますよね。
現値の変更と直近チャートがなめらかに表示されるのは死活問題でもあります。
ゲーミングPCは高性能なCPUを元から使っているので、CPU性能が重要になるトレーディングツール・情報端末も安心して使えます。
使っている端末の性能はトレードの利益額にインパクトがあります!!(大事なことなので)
ちなみに管理人は今でもたまにトレーディングをしていますが、過去に遅すぎるパソコンで失敗したこと数しれず・・・みなさんも気をつけましょう泣
王道!ゲームをお仕事に
ここ数年で、ゲームを使ったお仕事が爆発的に増えているように感じます。
ゲーム制作や販売は昔から人気業種でしたが、ここ最近では実況配信、動画編集、ゲームレビュー、そしてプロとしての活動など、幅広い仕事が出現してきました。
読者もゲームに携わった仕事をいつかしてみたいと考えているのではないでしょうか。
PCでゲームをするのには最初に「初期投資」や「とっつきにくさ」などハードルがあります。
とはいえ、テレビにつなぐコンソール機よりははるかに高画質で高品質な体験ができるのも事実。
しかもパソコンあれば、ゲームできるし、記事もかけるし、動画編集もできるからね。
今後ゲームに関わる仕事をしていくなら、ゲーミングPCに投資するのはかなりおすすめできると思います。
まとめ
ゲーミングPCのメリット・デメリットを挙げて、活かせる仕事の一覧とその解説をしました!
ゲーム向けのパソコンはあらゆる人におすすめできるものではありません。
ですが、投資額に見合う成果を出せる仕事に使えるのなら、積極的に投資することで全体の収益性を改善できると考えます。
パソコン購入をお考えなら、一度ゲーミングPCも検討してみてはいかがでしょうか。