PCの基礎知識

パソコンの資産価値はどのくらい?ゲーミングPCの資産性、税金対策を徹底解説

パソコンの資産価値はどのくらいあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。特に高額なイメージのあるゲーミングPCなら、ある程度の資産性もあるように思えますよね。

そこで、この記事では、ゲーミングPCの実際の資産性と、ゲーミングPCを活用して収益を上げる方法、そして節税につながる減価償却の知識まで、現役のITエンジニアであり、FPの資格も持つ筆者が解説しています。

個人や中小法人などで投資用資産を検討している方で、このような方におすすめの記事です。

  • 資産性の高い現物資産を購入したい
  • 年末に資金に余裕があって、経費にできるものを買いたい

 

ゲーミングPCに資産性はある?

ゲーミングPCなどのような高価なパソコンには資産としての価値があるのでしょうか?

結論からいえば、パソコンには投資対象の現物資産としては価値はほとんどありません。値上がりを期待した投資や投機の対象としては、利益は見込めないでしょう。このあと解説しますが、性能が高いゲーミングPCでも、買った瞬間に時価は下がってしまうためです。

しかし、パソコンには何かを生み出す資産としての価値はあります。ゲーミングPCなどの性能の高いパソコンなら、固定資産としてうまく活用することで大きな収益を上げることも可能になります。

さらに、適切に確定申告することで、減価償却を通じて税金を低く抑えることもできます。より収益を大きくする方法や節税につながる知識も、この記事の後半で解説します。

 

ゲーミングPCでも資産価値を維持できない理由

まずは、ゲーミングPCには値上がりを期待した投資や投機に向かない理由を確認しておきましょう。

 

性能の向上が早い

ゲーミングPCで直接値上がり益を期待できない理由のうち、最も大きいのは、ずばり製品のライフサイクルが短いことです。つまり、ゲーミングPC自体の性能が年々、とても速いスピードで向上していくため、古いパソコンがすぐに時代遅れになっているということ。

実際、10年間でパソコンの性能は10〜15倍に上昇しているともいわれ、新しいCPUやGPUのシリーズが登場すると同じ価格でも性能は10〜20%近く向上していることも多いです。

このように、ゲーミングPC自体の性能向上により、購入したゲーミングPCは数年すれば性能は相対的に時代遅れになり、資産価値も大きく低下することになります。

 

ソフトの要求水準が上がっている

パソコン本体の性能の向上と合わせて、パソコンで使われているソフトウェアの機能もどんどん向上していきます。必然的に、ソフトが要求するパソコンのスペックも上がるので、それに合わせて性能の高いパソコンに買い替えていかないといけませんね。

この理由でも、ゲーミングPCが数年すればスペックが見劣りしてしまうことに。ゲーミングPCが資産価値を維持できない理由のひとつです。

 

消耗する

最後に、そして最も大きな要因は、あくまで消耗品であることです。

ゲーミングPCのような性能の高いパソコンでも、使われているパーツの素材は金属や半導体などで、使わなくても劣化するものです。たしかに、安くて粗雑な作りのパソコンよりは長持ちしますが、それでも使用するごとに少しずつ消耗していくのは止められません。

ゲーミングPCは、貴金属やカラーストーンなどとは異なり、消耗品であることは覚えておきましょう。

 

ゲーミングPCの資産性で収益を上げる方法

それでは、ゲーミングPCのような高性能のパソコンを資産として活用して収益を上げることはできないのでしょうか?

答えとしては、知恵を絞ればパソコンを資産として活用し収益を上げるのは難しくなく、むしろリスクを抑えながら長期的に収益化していくことも可能でしょう。

具体的なアイデアはたくさんありますが、例えばゲーミングPCを必要とするクリエイターに貸し出し、その活動から収益化する方法もあります。動画編集が必要なSNSのインフルエンサーや、ゲーム配信をしながらアバターを動かすVTuberにとってはゲーミングPCは必須ですが、資金が不足しているために自分で用意できない人も多いです。そうした将来のクリエイターに投資することで、将来的に莫大な収益源を確保する投資も行われています。

このように、ゲーミングPCを資産として活用して収益化するアイデアは様々あります。自分のリスク許容度に応じて、ゲーミングPCの活用戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

こちらの記事では、その他の活用方法も解説しているので、参考にしてみてくださいね。

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パソコンの経費処理や減価償却で節税できる?

ゲーミングPCを含むパソコンは減価償却などを通じて経費として処理することができ、結果としてその年の納税額が減少する場合があります。

大前提として、経費にするには、個人事業主や法人が、そのパソコンを業務の用途に使用している必要があります。主にプライベートで使用しているパソコンについては、税務上、費用にすることはできないので注意が必要です。

具体的には、金額によって会計処理が違うため、以下で詳しくみていきましょう。なお、この記事では、ある程度簡略化して説明しています。そのため、実際にパソコンの減価償却を計上する際にはこちらの別の解説記事が役に立つはずです。合わせてご覧ください。

 

10万円未満のパソコンは消耗品として経費に

取得価額が10万円未満のパソコンについては、消耗品としてその年の経費として一括して計上することが一般的です。

購入した年度に全額を経費として計上することができるため、減価償却の計上が不要です。難しい会計処理を入力する必要がなく、労力が削減できるのもメリットといえます。

なお、個人や会社の方針、状況によって、10万円未満でも固定資産として処理したい場合もあります。その際は、パソコンを固定資産として計上し、将来の減価償却費として、当年・翌年以降に除々に費用化することができます。このように、事業の状況や税務上の戦略に応じて、処理を考えなおすことも可能です。

 

10万円以上のパソコンは減価償却などで費用化

少額減価償却資産の特例

少額減価償却資産の特例は、取得価額が10万円以上30万円未満の資産に適用される税務上の特例です。

特例の対象となるのは、10万円以上30万円未満の資産なので、この価格帯のパソコンを購入した際には利用できる可能性があります。特例を利用する場合、取得価額全額をその年度の損金に算入することができます。つまり、購入した年に一括して経費として計上することができるということです。

ただし、この少額減価償却資産の特例を利用するには、青色申告をしている個人事業主や中小企業であることが条件です。また、特例使用の上限は、年度につき取得価額の合計が300万円までという制限もあります。

特例の利用により、パソコンの取得価額の全額を経費として計上が可能となり、節税効果が得られることから、多くの青色申告者や中小企業がこの特例を活用しています。

 

一括償却

一括償却は、特定の条件を満たす資産に対して適用される税務上の処理方法です。一括償却の対象となるのは、取得価額が10万円以上20万円未満の資産が該当します。

一括償却資産は、3年間で一括して償却処理をすることができます。そのため、パソコンの通常の減価償却期間(4年)よりも短い期間で資産を償却できるため、節税効果が期待できます。

一括償却は青色申告者でなくても(白色申告でも)利用できる制度です。また、月割計算をする必要がないため、簡便な処理が可能になるのもメリットのひとつといえます。

 

通常の減価償却

上記のどちらの処理も利用しない場合は、通常の減価償却計算を行って、税務申告を行います。通常の減価償却は、耐用年数に基づいてパソコンを長期間にわたって費用化する方法です。

パソコンの耐用年数は一般的には4年とされています。耐用年数は、資産が通常の目的に使用された場合の税務上の使用可能年数です。税務申告では、耐用年数に基づき、取得価額を耐用年数で均等に配分して減価償却費を計算します。これを定額法といいますが、個人事業主の場合は原則的には定額法によって年々同じ額の減価償却費を計上していきます。

減価償却費計算は最初は理解が難しいかもしれませんが、ほぼ全ての計算は会計ソフトが自動で行ってくれます。パソコンを購入し会計ソフトへ入力する際に、固定資産として計上すれば、あとは毎年の確定申告までに自動で処理が行われます。

ここまで減価償却について説明してきましたが、こちらの記事ではより詳しく解説しています。実際にゲーミングPCなどを購入して経費へ計上したい場合などは、こちらの記事をご覧いただくのもオススメします。

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パソコン以外で投資したい現物資産

パソコンは税務上の経費として計上して納税額が有利になることもありますが、基本的には値上がりを期待できるような投資用資産の価値は無いことを見てきました。

それでは、パソコン以外の現物資産に投資するには、どのようなものがよいのでしょうか?

 

アンティークコイン

アンティークコインは、昔の時代に流通していた貨幣やメダルのことで、歴史的な価値や美しさを持っています。アンティークコイン投資では、将来的にそのコインの価値が上がることを期待して投資します。

アンティークコインの価値は、その希少性や状態、需要と供給のバランスなどによって決まります。鑑定士や専門家によって評価され、価値が高いとされるコインは投資対象となってきます。最近、アンティークコインは、株などの金融商品など、他の投資商品と組み合わせてポートフォリオを構築する富裕層も増えてきました。一方、現物資産ならではのリスクも高く、偽物や模倣品が流通していることも多いため、ある程度の審美眼も必要になる投資方法です。

アンティークコイン投資は、歴史的な価値や美しさを楽しみながら、将来の利益を期待する投資の一形態です。リスクが高いため、コインの知識の収集や鑑定の重要性を理解し、専門家の助言を受けながら取り組んだほうがよい投資ジャンルといえます。

 

カラーストーン

カラーストーンは貴重な宝石や鉱石のことです。有名なのはルビーやサファイアなどの色付きの宝石で、小さくても非常に高い価格で取引されています。カラーストーン投資は、このような小さな石でも希少性が高く、需要があるものが将来値上がることを期待して保有する方法です。

アンティークコインと同じように、宝石の価値は専門家が専用の機器などを使いながら判定するものなので、投資対象とするのには一定のハードルがあります。また、産地の偽装や人工的な処理が隠されて流通していることもあり、ある程度の経験と知識が必要なジャンルでもあります。そのため、今でも参入している投資家は少ないのですが、それが逆にチャンスであるともいえます。

 

パソコンの資産性をうまく活用して賢く稼ごう

高価なゲーミングPCでも、性能の進化の早さや消耗品としての特性から、資産として価値を維持するのは難しいことを解説してきました。

しかし同時に、ゲーミングPCなどの高性能なパソコンを上手に活用することで、収益を伸ばす戦略もあることを説明しました。また、パソコンを経費に計上することで、年間の納税額が少なくなる場合があるため、年末の設備投資や確定申告の際には知識をおさらいしておきましょう。

 

注意:当記事は管理人の実経験と関連法令の調査によっていますが、申告される事業年度に適用される税法に関する理解の正確性を保証するものではありません。確定申告にあたって経費にできるかどうか疑問が残る場合、処理の選択に迷う場合には、顧問税理士などに相談しましょう。>>税理士一覧

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